<クラビー>必人×ナナ(?)



「もうサイコー!」

 レストランの一角。
 破顔して、ナナは嬉しそうに声を上げた。

「う〜……いいなぁ、オレも食いたいなぁ……」

 ぐぅ〜っと腹の虫を鳴らし、必人はおいしそうにステーキを頬張るナナを羨ましそうに見つめる。

「何よ、あんたお金持ってないんでしょ? 食べたかったら自分で稼いで来なさいよ」

「……ナナだって自分の金じゃねーだろ」

 ぽそりと呟いた必人の声は、ちゃんとナナには届いていて。

「な・に・か! 言った?」

 にーっこりと微笑み、けれど目は笑っていないナナから必人は視線を逸らした。

「何でもありません」

 そう言ってテーブルに顔を伏せ、必人はハァ〜ッと溜息をついた。
 またぐぅ〜っと腹が鳴る。

「ったく、うるさいわねぇ……ほら、必人!」

 ナナの声に顔を上げる。
 目の前にあったのはステーキの欠片。
 必人はばくりと食らいつく。

「むは〜! うっめ〜!」

「大袈裟ね……」

 ステーキの味に感動して涙する必人に、ナナは呆れて溜息をついた。

(……一度甘やかすと、後々面倒なんだけど)

 旅はまだまだ続くだろう。
 こんな所で倒れられては元も子もない。
 仕方ない、とナナは再び溜息をつく。
 コン太と銃兵衛が情報収集から戻って来たら。
 たまには3人にご馳走してあげよう。






何でしょうね…何もかもが中途半端ですいません;