「はい、あーんして」

 にこにこと微笑みかけてくる彼女。
 差し出されたスプーンには、白いご飯と赤い液体。
 皿を見れば、赤い液体は何やらゴボゴボと妙な音を立てている。
 まるで、マグマのように。

「断る」

 彼女の特製激辛カレーは、ヒトの食べるものではない。

「何でー!? 試食くらいしてくれてもいいじゃない!」

 今までそれで何人病院送りにしてきたか覚えていないのか。

「もっと普通のカレーなら食べてもいい」

「言ったわね……こうなったら絶対においしいって言わせてやるんだからー!」

 そう叫びながら、奥の調理室へと去って行った。
 オレには、爆発だけは起こさないでくれと、祈るほかなかった。






「IFRIT【断罪の炎人】」 ユウ&ニナミ

…これは“×”ではないよね…。とりあえずイフリート布教。