「タバコは控えめにネ」

 ヒョイ、と狂が口に咥えていたそれを、幸村は抜き取った。
 狂が何しやがると睨み上げれば、にっこりと幸村は笑う。

「ほら、お腹に良くないし」

「………………余計な世話だ」

「今、すっごい間があったね」

 幸村はふっふーと嬉しそうにする。

「……うるせぇ」

 狂は更に睨みを効かせるが、幸村はまったく動じない。
 それどころか、カラカラと笑い出した。

「こーんな不器用な人がお父さんだなんて、生まれてくる子も大変だねぇ」

 それを聞いた瞬間、狂の周りの気が和らいだ。
 幸村もそれに気づき、くすくすと笑っている。

「……うるせぇよ」

 狂はもうそれ以上は何も言わず、幸村から視線を逸らした。
 照れている彼の横顔に、幸村はくすくすと笑い続けていた。







「SAMURAI DEEPER KYO」 狂ゆや前提・狂&幸村

幸村はそんなに度々遊びに来れないだろうとかそういうツッコミはなしの方向で。