「しゅごキャラ!」 唯世×あむ


「あむちゃん、早く早く!」

「もう遅刻だよ!」

「唯世くんをお待たせしてしまうですぅ〜」

「あーもうっ、分かってるってば!!」

 耳元で急げ急げとまくし立てるしゅごキャラたちに、あむはうるさいと一喝した。
 いつもよりもちょっと気合いを入れておしゃれして。
 コーディネートもミキにしてもらってバッチリで。
 あむは今、全力疾走していた。
 唯世に買い物に付き合ってくれないかと言われ、「それってデートじゃん!?」と喜んだはいいが、昨夜、楽しみでなかなか寝付けず、寝坊というミスを犯してしまった。
 大慌てでギリギリ間に合うかと思いきや、出掛けに妹のあみが一緒に連れてってと駄々をこね、何とか言いくるめて来たが遅刻は確実。

(ああもう、せっかくの唯世くんとのデートなのに……! 印象、最悪じゃんよ〜!)

 そう思いながら、少しでも早く行かなければと必死に走る。
 待ち合わせの場所が見えて来た。
 唯世は――いる。

「唯世くん、遅れてごめん!!」

 彼の元まで辿り着くと、呼吸を整えるのも忘れ、あむはバッと頭を深く下げて謝った。
 しかし。

「大丈夫だよ、僕も遅れちゃって今着いたばかりだから。良かった、日奈森さんを待たせることにならなくて」

「唯世くん……」

 それはきっと、ウソだろう。
 けれどにっこりと微笑む彼の笑顔に、偽りはない。

(やっぱり優しいな、唯世くん)

「それじゃ、行こうか」

「うん!」

 2人は、賑やかな街へと向かって歩き出した。







唯あむは可愛いなぁ(*´∀`*)