「しゅごキャラ!」 なぎひこ×りま


「バカだね」

 今1番聞きたくない声がした。

「我慢なんかしたって、自分が苦しいだけなのに」

 声の主が隣に腰を下ろす。
 長い真っ直ぐな黒髪がさらりと揺れて、あたしのふわふわした亜麻色の髪に触れた。

「別に、我慢なんて」

「じゃあ、その目から流れているものは何?」

 細い指が、そっと目尻を拭った。
 あんたになんか言われたくない。
 誰よりも1番、自分自身を我慢してるあんたなんかに。
 でも、もう言葉になんかできなかった。
 溢れ出す涙が、止まらなくて。
 肩を抱いてくれた腕が、優しくて。

「あんたなんか、嫌いよ……っ」

 あんたの前では、あたしは弱くなってしまうから――。







なぎりま萌え!!