「イナズマイレブン」 鬼道&土門


「グレてやる……」

「は、春奈……?」

 俯き、ギリッと奥歯を噛んだ妹の姿に、鬼道は怯んだ。
 春奈は顔を上げると、兄のことをキッと鋭い目つきで睨み――

「グレてやるんだからぁ!!」

 わぁっと泣いて走り去ってしまった。
 止めようとした鬼道の手は、虚しく宙に伸びただけであった――。





「……なーんてことにならなくて良かったよな」

「土門、お前オレにケンカを売っているのか……?」

 からかうように言って、ポンと肩を叩いた土門に、鬼道は眉間にシワを寄せた。
 土門はさらに苦笑する。

「いやだってお前、久々に再会した兄貴がゴーグルにマントじゃ普通引くって」

「変質者のような外見で悪かったな!」

「いや、別にそこまで言ってないけど……」

 怒ってフンッと顔を背けた鬼道に、土門はやはり苦笑するしかなかった。







まだ1期の頃で、鬼道が雷門に加わった後。